エンパワメントプロデューサー
ひぐちまりです。
哲学は知の最上位概念であり
すべての学問は、哲学から生まれています。
「知の源流」とも言える哲学ですから
哲学は役に立つのかどうかなど
一々説明する必要もないでしょう。
特に、学校教育で
覚えること=勉強すること
と洗脳されてきた人々にとって
現代の答えのない時代に必要な「思考力」を鍛えるのに、
哲学ほど、有効なものはありません。
今日は「思考力を磨く」ヒントとなる
新進気鋭の哲学者の文章をご紹介します。
2013年に刊行した
哲学書としては異例の世界的ベストセラーとなった
『なぜ世界は存在しないのか』の著者であり
ポスト構造主義(ポストモダニズム)以降の
「新実在論(new realism)」の旗手として、今、
世界で最も注目されている
ドイツの若き天才哲学者マルクス・ガブリエル。
「哲学界のロックスター」と呼ばれている。
確かに、イケメンでかっこいい(^^)
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まず「現実について何を知ることができるのか」そして
「現実の現れ方とは別に、現実の構造がどうなっているのか」という
問いに答える段階を踏まないと、
例えば「グローバル化を推進するものは何か」とか
「僕らが暮らしている地球は何なのか」
などという問いには、
絶対に答えられるはずがないんだ。
そもそも根本にある認識に関わる問いは、
現代の社会、今日の人生に関わる
すべての問いと根本的に関連している。
とりわけ「哲学」は、
僕らの時代により重要な役割を果たすと言えるだろう。
あなたにとっては、
今まで考えたことすらなかった問いかもしれない。
だから今、考えてみてほしい。
例えば、コンピューターとは何だろうか。
1950年代以前、「コンピューター」という言葉は、
計算する(compute)という原義から
「計算する人(computer)」を指していたんだ。
人間が簡単な算数の問題を解くような感じ、
それがコンピューターだったわけだ。
そこから現在のコンピューターになるには、
論理の構造を明らかにする哲学者
アラン・チューリングという人の存在が大きい。
チューリングはコンピューターを改めて定義することによって、
コンピューターとは何なのかを解明した。
それがコンピューターが
「科学」となる始まりだった。
根本にある大事な考え方として
確認しておこう。
コンピューターとは論理的なシステム、というよりも、
ある種のハードウェアにインストールされた
「論理」に他ならない。
コンピューターは根本的なところ、
論理の構造を明らかにする「哲学者」によって発明され、
構想されたものなのだ。
by Markus Gabriel